SAMPLE

【ベル子】「100数えたら出るぞ」

【クリア】「それに、なんの『いみ』があるのですか?」

【ベル子】「体温が上がると代謝が上がる。健康のためだ。数えろ。お前の罪の数でも構わんがな」

【クリア】「べるさんは、『いき』をすうたびに『つみ』をおかしているとかんじるのですか?」

【ベル子】「……ふむ」

 

そうか。まぁ、お前は「そう」だったな。

 

抱き寄せた体は鉛のように重くて、意識がない。

血の気が引きながらも、足が水底まで届く位置に達した時点で、息を目いっぱい吸ってクリアの口を自分のそれで覆った。

 

【クリア】「けふっ、……うぅ、けほっ、けほっ」

 

海水を吐いたので、顔を横に向けて吐いた水を出してやる。

そのまま人工呼吸を繰り返しながら水面から上がろうとすると、不意に色違いの両目がうっすらと開いた。

 

【クリア】「……、……?」

【ベルタリウス】「大丈夫か? 俺が分かるか?」

【クリア】「にぃ……『びっくり』したのですよ……さらわれてしまったのです……」

【ベルタリウス】「手を繋いでいれば良かった。すまない」

 

 

肩に両手が乗っている気がして、振り返る。

その先に、知っているようで知らない顔があった。

 

【クリア】「べる……さん?」

【レントゥス】≪いいえ≫

【クリア】「……とう、さん?」

【レントゥス】≪姿ばかりは、そうですね≫

 

にこり、と優しく微笑む美しい青年。その顔は確かにベルさんと瓜二つだったけれど、髪の色も表情も全く異なっていた。

 

【レントゥス】≪名を、レントゥスと申します。これより私が貴方の剣。存分にお振るいください≫